種別
担当(著者)
臭気判定士 2級管工事施工管理技士 原田隆寛
提出日付
2022年11月26日
対応先等
工場等(インジェクションスクラバー)
概要
状況等
- 弊社では、日々、新しい技術であったり、既存の脱臭装置のさらなる脱臭効率の向上であったりと、さまざまな臭気対策についての研究を続けております。
- とはいえ、研究開発の専門部署があるわけではなく、実際に臭気判定士たちが現場での経験値や、お客様から頂戴するご要望などをヒントに、常にお客様にもっともっと使いやすい脱臭装置や臭気対策のシステムなどをご提供できるように、各メンバーが常に考えて、アイデアを創造していくスタイルでやっております。
- 工場の脱臭装置であれば、湿式方式における主力商品であるインジェクションスクラバーをはじめ、消臭剤のスプレー噴霧システムにかかわるノズルや消臭剤、さらには接触ボックスの開発。乾式方式では主力商品であるデオキーパー脱臭装置の接触効率アップや、活性炭以外の脱臭素材の試行錯誤などが挙げられます。
- 今回は新しいインジェクションスクラバーのフィルターが完成したのでテストを実施しました。
対応内容
- 今回のテストにおいては、弊社の工場の排気臭脱臭装置として、湿式方式の主力脱臭方式であるインジェクションスクラバーのデモテスト機を用いました。
- 場所については、弊社大阪オフィスに併設されているラボラトリーにて実施しております。
- 目的としては、気液接触効率を確認することでした。なぜならば、湿式脱臭装置の場合の脱臭効率や脱臭効果には方程式があり、それは「脱臭素材(消臭剤)の能力×接触効率」として弊社は定義しております。
- つまり、弊社ではこの効率を1%でも向上させていくことを、テストの主目的として着眼し、毎回のテストを実施しております。
- まず、湿式ですので、素材の選定です。水(水道水、工場様によっては工業用水や井戸水などもあります)、そして消臭剤としては弊社のデオドプロ消臭剤シリーズから、いくつかの消臭剤を選定しております。
- 次に、接触素材として大変大切な、インジェクションフィルターです。今回はここを大改良し、新型フィルターの開発が完成したため、弊社の新型フィルターと、従来のフィルター、そして一般的なフィルターおよび他社様の方式を用いての、比較テストとなりました。
- 臭気としてはアンモニアを使用しております。
対応後の状況等
その他補足感想など
- 一般的なスクラバーというのは、水を用いた洗浄塔となっております。
- 接触素材としては、フィルターを用いるときは水分の飛散を防止するために使用されるケースが多いように思います。
- つまり、いわゆる除塵(粉塵を除去する)や、タールなどを除去する目的で設置されていることもあり、そのついででの脱臭効果を期待する、というケースもあるようです。
- しかし当然ながら、塵埃の大きさと、ニオイ分子の大きさには多大なる比較があります。例えば、毛で70㎛。花粉で30㎛。黄砂で4㎛。PM2.5で2.5㎛。細菌で1㎛。ウイルスですら0.1㎛あります。それに対してニオイ分子は、0.001㎛なのです。ということは、粉塵を除去するためのフィルターと、ニオイ分子を脱臭するためのフィルターは、その構造や方法などが違ってくるということになります。
- 脱臭に重きを置きすぎると、接触させたいがために極論すれば、フィルターがどのような形にせよ、目が細かくなります。すると粉塵が抜けなくて、目詰まりしてしまうという可能性が出てきてしまいます。逆に粉塵に重きを置きすぎると、ニオイ分子はあまり接触せずに抜けてしまうのです。
- なんとか脱臭方式などでそちらに重きを置けたとして、次の問題としては圧力損失がどんどん高くなっていくという悩みも生じてきます。
- あと、忘れてはいけないのが、水の使用量です。前述しました通り、水だけではなかなか、脱臭の方程式が成り立ちにくく、消臭剤(原則は無臭のもの)で脱臭効率を高めていきます。当然、使えば使うほど(たくさん噴霧したり、じゃんじゃん消臭剤を放り込む)ランニングコストはあがっていきますし、排水への負荷も増えていくことになります。
- それらを1つずつ、改良したり、技術をイノベーションしたり、新しいアイデアを試してみて、弊社のインジェクションスクラバーでは、除塵もしつつ、高い脱臭効率を実現していっております。
- すでに、日本の工場様およびタイの工場様にて導入実績がございます。日本の工場およびタイの工場の臭気対策や脱臭装置でしたら、弊社共生エアテクノまでお問い合わせ下さい。
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