月別アーカイブ: 2018年2月

テナント内にて突如発生した、発生源不明の汚水臭気

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工事種別

某ビルの地下テナントにおける下水臭気

担当(著者)
臭気判定士 作業環境測定士 佐藤元
提出日付
2018年2月22日
施工先
テナント内にて突如発生した、発生源不明の汚水臭気
施工概要
施工前状況
  • 某ビルの地下にあるテナントにて、突如として1週間ほど、下水のような悪臭が発生した。
  • そのテナントはスポーツトレーニングのスペースとなっている為、来店者も多い。
  • 来店者からも、「何か変なニオイがするね」とか「下水?腐った卵みたいな不快なニオイがしているね」といったような悪臭苦情も寄せられたとの事。
  • オープンしてからこの場所で数年間、事業を営んでいるが、このような悪臭が発生したケースがはじめてであった。
  • しかもその1週間ほどの悪臭発生後は、一切臭気の発生が確認できなくなった。
  • しかし念のため、悪臭の残存がないか、そして発生源がまだあるのか、等を確認しておきたく、WEB等で臭気調査専門会社を調べて、弊社にご依頼を頂戴した。
施策内容
  • 基本的には、ニオイがない状態でも臭気調査は可能ではあるが、発生源の特定まではいけないかもしれない事をご理解いただいた上で、異臭調査をお引き受けした。
  • 臭気発生源調査の経験豊富な臭気判定士2名にて、現場へ訪問し、臭気確認からスタートした。
  • ほぼ1日、テナント内やビル内外を含めていろいろ嗅ぎまわったが、気になる異臭は感じなかった。
  • テナント建築時の図面を見せていただき、異臭侵入の可能性となる箇所に目星をつけた。
  • さらに目星をつけた箇所を目視あるいはスモークテスター、臭気測定機を用いて、出来るだけ多くの仮説を立てては検証し、残したり潰したりしていった。
  • すると、幾つか潰しきれない仮説が明らかになっていった為、それらを重点的に再度、調査した。
  • 結果としては、上階のリニューアルが関係していたという仮説が、最も真実に近い可能性となった。つまり、また同じような改修や修繕等がない限りは、悪臭は発生しないという事になる。
  • ビルの保安上の問題もあり、他へ立ち入り調査が出来なかった為、仮説をご説明し、ご納得いただいたので、報告書に纏めて提出し検収となった。
装置などの名称/分類
装置の紹介(概要)
  • 臭気測定機を用いた、臭気チェック
  • スモークテスターを用いた、気流チェック
  • トレースガスを用いた、侵入経路チェック
施工後の状況
  • もしまた、下水臭が発生した場合は、弊社が指摘した仮説を実証するべく、トレースガスによる下水臭侵入経路を特定させる事とし、テナントには該当エリアへの立ち入り許可を得ていただくようにした。しかし現在でも、特に苦情となる異臭は発生していない。
その他補足感想など
  • 不定期でも、対象となる臭気が発生している状況であれば、残存している臭気の確認を嗅げたり、必ず悪臭には発生源があるという仮説からヒントを得られたりする。
  • しかし今回の現場では、数年の間にわずか1週間ほどのみ、突如として異臭が発生して、またその後は全く異臭の発生がないという、大変不思議な現場であった。
  • それでもご依頼主様が自社のお客様やクライアントに配慮し、臭気調査をしておきたいというご依頼であり、弊社としてもご安心いただく為に、お断りする事は難しい状況であった。
  • また、例え期間限定でも悪臭が明らかに発生していた以上、必ず原因があるという思いもあり、この難しい臭気調査に、ベテランの臭気判定士2名にて対応させていただいた。
  • 実際に、現場の状況としては、全く異臭の痕跡もないクリーンな室内環境であった。その中から臭気調査を進めていくには、経験と勘もふまえて、何もないところから仮説を立てていく方法しかない。
  • 結果としては、幾つかの仮説を立てる事が出来て、そこから最も可能性の高いものに絞り込めた。ほぼ臭気侵入ルートとしては決定的だが、実際に検証できない以上、断定は出来ない。よってご依頼主様には全てをオープンにお話したところ、大変ご納得いただけた。
  • また、臭気が発生する状況も想定出来ているので、もしそうなった場合のいろいろな対策方法もお伝えし、現場を後にした。
  • 目に見えないニオイ、突如発生する恐怖、そのような悪臭事件を、何とか目星をつけてお客様にもご安心いただけた事で、弊社の臭気判定士もホッと胸をなでおろしていた。
スモークテスターを用いた気流チェック
異臭侵入経路調査

異臭侵入経路調査
臭気判定士による確認


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某歯科クリニックにて少々気になる臭気の調査

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工事種別

歯科クリニック内臭気調査

担当(著者)
臭気判定士 シックハウス診断士 松林宏治
提出日付
2018年2月14日
施工先
某歯科クリニックにて少々気になる臭気の調査
施工概要
施工前状況
  • 某歯科クリニックにて、ごくまれに、来院された患者様から「クサイ」というクレームが発生していた
  • 院長先生は、スタッフや出入り業者に、しばしば臭気のヒアリングを行ったが、よくわからなかった。
  • そのまま気にしなくても大きな問題となるレベルではなかったが、やはり臭気問題であり、来院される患者様に余計なご負担を掛けたくないとも院長先生は考えておられたようだ。
  • 市販の空気清浄機を導入する等、考えられる対策は講じてみたが、特に変化はないようだった。
  • 複合施設に間借りするテナントスペースの歯科クリニックであり、他の買い物客等への影響も懸念され、歯科クリニックのコンサルタントに相談したところ、臭気調査の専門会社があると紹介された。
  • コンサルタントから弊社に相談が寄せられ、臭気調査の内容をご説明の上、正式にご依頼いただく運びとなった。
施策内容
  • 歯科クリニックがお休みの日を狙って臭気調査実施日を決定。
  • 臭気調査の経験豊富な熟練の臭気判定士2名にて、現場へ訪問。
  • 歯科クリニックの先生およびスタッフ様にいろいろとヒアリングを行う事から調査をスタート。
  • 臭気判定士2名の嗅覚による官能評価、及びスモークテスターにて気流をチェック。
  • 気になる箇所があった為、建築図面にて衛生配管と空調配管関係を確認し、現場の実際の配管状況との整合性をチェック。
  • また、空調の稼働状況での変化や、時間帯での変化、特定作業の実施時での変化等、いろいろな条件を再現しながら臭気を確認していった。
  • 結果としては、数種類の気になる臭気の質を感応出来て、それらが諸々の条件によって待合室側に流れ滞留したり、臭気の発生が強くなる等、幾つかの懸念点が挙げられた。
  • その中から、エアーバランスの悪さの改善を、最優先事項としてご提案させていただいた。
装置などの名称/分類
  • クサイに挑むプロフェッショナルによる、歯科クリニックの臭気調査
  • 歯科医院の臭気強度マッピング及び臭気質の臭気測定。
  • 臭気判定士による臭気判定。
装置の紹介(概要)
  • 臭気判定士の嗅覚による官能評価。
  • スモークテスターを用いた気流チェック。
  • 臭気センサーを用いた臭気強度マッピング。
施工後の状況
  • クリニックの形状が、細長い作りであった為、待合室側から給気を入れて、治療室側の一番奥から排気をするエアーバランスを出来得る限り整えた。同時に、待合室側に酸素クラスター除菌脱臭装置を設置し、除菌と脱臭が出来る仕組みも整えるようにご提案した。
その他補足感想など
  • 臭気の質としては、有機溶剤系臭気(接着剤等で使用する)や、消毒液系臭気であり、いわゆる「歯医者さんのニオイ」と判定された。
  • 不快感の高い下水のような臭気や、人体にも有害となる可能性のあるカビ臭、エアコンからの異臭等は調査期間内では確認できず、その可能性も限りなく低いものと判断した。
  • 但し、エアーバランスが悪い事から、どうしても待合室側に、歯科治療時に発生した臭気が滞留してしまう事が判明した。歯科クリニックのドアをあけて入ったその時に、少々強い臭気があると、一部クレームになる可能性は否定出来ないと思われる。
  • しかし、複合施設の中のテナントスペースに入店している歯科医院であり、エアコンは単独でも、給排気が思うように改修できなかったり、外気の取り入れ量に制限があったりと、決して歯科医院の空調条件としては、良い条件ではない事もあった。
  • 幸い、臭気苦情の発生頻度としてはごくまれであり、弊社の調査でもそこまで気になるレベルではないと判断された為、可能な限りの対策でいけそうであった。
  • 院長先生からは、「全く何も見えない、嗅げない、わからない中で、このように臭気判定をしてくれて、わかるように説明して貰えたので、安心したし対策方法も検討できる」と大変喜んでいただけた。
臭気判定士による官能評価
臭気判定士による官能評価

スモークテスターを用いた気流チェック
臭気測定機による確認


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不定期に発生する悪臭の発生源調査

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工事種別

連続監視を用いた臭気調査

担当(著者)
臭気判定士 中丸晴樹
提出日付
2018年2月2日
施工先
某書店内にて不定期に発生する悪臭の発生源調査
施工概要
施工前状況
  • 某書店にて、不定期に発生源不明の悪臭が発生していた。
  • テナント様及びビル管理会社で、一定期間にわたる異臭発生状況のヒアリングを行った。
  • その結果、外部で発生した異臭が書店内に侵入する事による悪臭発生ではないかと推測した。
  • しかしそれを証明する方法がなく、またもしそれが違っていた場合に、それ以上の臭気発生源調査を実施していく事は難しいと判断された。
  • そのようなモニタリング調査や悪臭侵入経路調査の出来る会社をリサーチした結果、弊社共生エアテクノを発見し、お問い合わせいただき、お打ち合わせやご提案を実施させていただいた。
  • 一定期間の臭気モニタリングを実施する事から臭気調査をまるっとご依頼いただいた為、早速、この異臭の発生源調査をスタートする事となった。
施策内容
  • まずは臭気のモニタリングである。書店が閉店し、ビルが完全に立ち入り禁止になる夜間や早朝、そしてお客様が常時出入りする営業中も、24時間365日、臭気を監視する必要がある為、弊社が開発した「デオモニ」を、書店内及び外気の侵入口他、数点に設置した。
  • 約1週間ほど、ニオイ監視システム「デオモニ」による連続測定を行った。
  • 期間終了後、デオモニを回収し測定の解析を行ったところ、臭気の変動は確認出来たが、外気での臭気変動と、書店内での臭気変動が、全く異なっている事が判明した。
  • その為、外部で発生した悪臭が書店内に侵入してくる仮説は完全に覆された。
  • すぐさま、臭気調査の経験豊富な臭気判定士2名にて、ゼロからの異臭発生源調査を行った。
  • 臭気の質としては、完全に下水系臭気であり、嗅覚を中心にわずかな下水・汚水臭を追い込んでいった結果、全く想定していない、別の倉庫が発生源と判明した。
  • もう誰も使っていないシンクのトラップが蒸発しており、そこから排水本管の圧力バランスで汚水臭が発生し、天井裏や壁裏を通じて書店内に侵入しているルートを突き止めた。
装置などの名称/分類
装置の紹介(概要)
  • 汚水、下水系臭気の発生源特定調査
  • ベテラン臭気判定士の嗅覚やスモークテスターを用いた悪臭発生源調査。
  • 仮設を実証する為のトレースガス調査。
施工後の状況
    トレースガスによる実証テストでも、一定条件を満たすとしっかりとした反応を書店内で確認出来た。使っていないシンクなので、完全に撤収してしまう事に決定し、工事実施までは排水部分を完全閉塞した。結果として、汚水・下水臭の発生は完全に納まった。
その他補足感想など
  • 当初、書店内で不定期に発生していた臭気を嗅いだニオイと同じ質のニオイを、外部でも確かに官能する事が出来た為、依頼主が想定されている臭気侵入ルートの可能性が高いと弊社も予測した。
  • しかし、実際に現場を臭気判定士の目で確認し、足で歩いていくと、弊社の経験や勘から、外部の臭気発生箇所と侵入ルートが遠く、その可能性は否定できないが、確率は低くなった。
  • 慎重に、デオモニを設置する箇所を選定し、簡易的なテストモニタリング調査の上、1週間ほどの連続測定を実施した。
  • その間に、簡易的な臭気拡散シミュレーションや、トレースガスでの調査も実施してみたが、やはりどの角度から見ても、そのルートからの下水臭気の侵入は当てはまらないと考えられた。
  • 結果として、デオモニの測定結果からも、外気侵入ではないと判断された為、ゼロから再度、臭気調査を実施した上で、発生源を突き止める事が出来た。
  • 人の嗅覚そして体力には限界があるので、連続した臭気のモニタリングであれば、このような臭気調査はもちろん、工場の排気や敷地境界での臭気監視としても、デオモニにお任せ下さい。
臭気判定士による異臭発生元調査
デオモニによる連続監視

デオモニ測定解析
異臭発生元特定


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