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日本とタイの臭気規制


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担当(著者)
臭気判定士 シックハウス診断士1級 松林宏治
提出日付
2023年2月8日
対応先等
日本とタイの臭気規制
概要
臭気判定士や悪臭に対する法律や規制など
状況等
  • 日本では、環境省の管轄にて、「悪臭防止法」という法律が存在します。
  • その悪臭防止法では、目に見えないニオイを測定する方法が定められております。
  • 大きく臭気の測定方法を大別しますと、「分析機器を用いた測定」と「人の嗅覚を用いた測定」の2つに分けられます。
  • もともと、前者である分析機器を用いた測定方法があり、例えば特定悪臭22物質を、成分濃度にて規制する方法となっておりました。例えばアンモニアが何ppm以下、硫化水素が何ppm以下、といったような規制値です。
  • しかし、ニオイ分子の種類は、実に40万種類もあると言われておりますので、成分濃度だけではとても規制しきれないようになっていきました。
  • そこで、その臭気を複合臭気としてとらえて、人の嗅覚を用いた臭気測定方法が用いられました。
  • そして、その嗅覚測定法を行うために、悪臭防止法のもとに定められた資格こそが、臭気測定業務従事者という、臭気判定士なのです。
対応内容
  • 日本における悪臭防止法では、「営利を目的とする全ての事業所」が対象となります。地方自治体ごとにその特徴などで臭気規制の方法はかわりますが、臭気苦情が発生すれば、事業所には臭気対策を実施しなくてはならない義務が生じます。
  • その一方で、タイ王国にも臭気規制に関する条例が出来つつあります。その規制方法については、日本の悪臭防止法における嗅覚測定法に近しいものとなっており、同時に、臭気判定士という資格制度も発足しております。
  • ただ、タイ王国においては、例えばバンコクの都心部でも、多くの屋台をはじめとする飲食店が立ち並び、マーケットなども多く存在するため、日本のように全ての事業所を臭気規制のターゲットとすることは現状では難しいようです。
  • そのため、日本が地方自治体ごとに臭気規制が委ねられているのに対して、タイでは、工場の業種ごとに規制が定められているようです。もしくは、工業団地ごとに独自の臭気規制値を設けているケースも弊社タイの工場の臭気対策を実施させていただく中では実際にありました。
  • 臭気判定士については、日本では毎年1回、1次試験が実施されています。2次試験は嗅覚試験であり、臭気判定士の5年毎の免状更新でも同じ試験になるため、常時開催です。
  • タイの臭気判定士は、現状では不定期開催になっていると聞いております。
装置などの名称/分類
装置等の紹介
対応後の状況等
その他補足感想など
  • 臭気判定士については、平成8年に悪臭防止法に定められた、ニオイ分野における唯一の国家資格となっております。
  • 臭気判定士の国家資格を取得するためには、1次試験と2次試験があります。1次試験は筆記試験となっておりまして、嗅覚のメカニズムや悪臭防止法の理解、嗅覚測定に必要な統計学や、実際に3点比較式臭袋法の計算などが出題されます。1次試験は合格率で20%前後です。※詳しくは公益社団法人においかおり環境協会のHPより臭気判定士のページをご参照下さい。毎年の受験者数と合格率が明記されております※
  • 2次試験は嗅覚試験となります。これは、5種類の基準臭と呼ばれるニオイを、5-2法で嗅ぎ分けられるかどうかをチェックする試験であり、合格率は90%をこえてくるでしょう。実は臭気判定士は5年に1度の免状更新(60歳をこえると3年に1度)が必要であり、その免状更新の必須条件が、嗅覚検査となります。これは2次試験と全く同じ内容となります。
  • また、嗅覚試験を実施するための、いわゆる「人の嗅覚」となる被験者(パネルと呼ばれます)になるためにも、この2次試験と同じ、嗅覚試験をパスする必要があります。
  • 誤解されやすいのですが、決して、嗅覚が鋭いであったり、鼻が効く、といった必要はありません。あくまで、正常な嗅覚を有しているかどうか、を確認するための試験です。
  • 日常生活において、あるニオイだけを感じない「部分嗅盲」というのは正直、なかなかわからないものであり、その確認のためにも有益なテストかなと感じます。
  • これもタイの臭気判定士になるためにも必要だと聞いております。しかし、いわゆる国民性や生活習慣、食生活などで嗅覚感度は変わってきます。年間100日、タイで臭気の仕事をさせていただくと、臭気の感じ方が日本人とタイ人で違うというのも、よく理解できるのです。
  • なので弊社では、タイと日本の臭気判定士で、タイの臭気対策を進めるようにしております。タイの工場の脱臭装置ニオイセンサーなど、臭気対策でしたらお問い合わせ下さい。
 
臭気判定士免状
アジアでの臭気対策
工場の臭気対策
    

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